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さよなら絵梨 ファンタジーがひとつまみたりないんじゃない?

物語

※注意 ネタバレ全開の感想です。

ラストシーンを最初に観た時、思わず笑ってしまった。間違いなくこれは藤本タツキの最高傑作だと思う。個人的には前作のルックバックを越えてきた。ルックバックはラスト机に向かう場面で終わっていて、創作に殉ずる意思を感じエモかったが、もしさよなら絵梨のように爆発して終わったとしたら、どんなに気持ちになったのだろうか?、と想像せずにはいられない。もちろん、爽快で最高だったに違いない。

僕は、これからしばらく、他の物語を読む都度、ラストシーンが爆発して終わったとしたらどうだろうと、想起せずにはいられないだろう。今後様々な考察が今後ネット上でお祭りのように賑わうと思うが、物語の構造や事実と創作の境界がどこだったかを気にするより、もっと最高なことがあることを思い出させてくれた。それはファンタジーをひとつまみ足して、物語が爆発して終わることだ。大好きだったファイトクラブのように。

それから彼女と僕が会う事はなかった
映画を何度も再編集していた理由がわかったからだ
「ファンタジーがひとつまみたりないんじゃない?」

素直に受け取ると、絵梨が本当に吸血鬼だったので、ファンタジーをひとつまみ足して終幕にしたのだと解釈できるけど、死んだ絵梨が映画の中で生き続けるように、何度でも思い出せるために、生前に決めていたプロットとも受け取れる。真実は作者にしかわからないが、それって素敵なことじゃない?(爆発→終幕)

見る度にあなたに会える 私が何度あなたを忘れても何度でもまた思い出す
それって、素敵な事じゃない?

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