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トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー

物語

読了後しばし放心する。優れた物語は、他人の(架空の)人生の物語の一断片を、読者に分け与え共有し、体験させてくれるものだと自分は思う。私たちが知らない世界、予期もしなかった場所まで連れて行ってくれる。そうやって私たちは一度しかない限られた現実の人生の中で、他人が創作した物語の中を、束の間、疑似ではあっても何度も生きることが出来る。そう、その行為はまさしくこの物語で何度も語られるゲームそのものだ。優れた物語は、表現する媒体(文字、映像、ゲーム)によらず、友情や愛や出会いや喪失といった人生の様々な出来事を、何度も体験させてくれる。

そしてあなたの(架空の)人生の物語は、私という意識を通して消化され、私の人生の一断片にもなる。素敵な小説でした。おススメです。

人を絶望から守るのは、遊びを求めるその心なのかもしれない。

トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー ガブリエル・ゼヴィン著 池田真紀子 訳 早川書房

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